各種漏水調査方法
☆電気抵抗調査
通常乾燥したコンクリートは電気を通しません。しかし雨漏りでコンクリートによるひび割れなどで、水が混じるエフロレッセンスという物質が発生します。この『エフロレッセンス』という物質は電気を通す性質があり、電気抵抗値(Ω値)の変化が非常に敏感となる特徴があります。この原理を応用したのが電気抵抗試験です。万能ではありませんが特定の事例に威力を発揮します。
調査方法は、漏水の出口に電気センサーを固定し、入り口にもう片方のセンサーを当てれば、水分は電気を通すのでセンサーのメーターが動きます。
また、電気が通じる箇所でも原因から遠いほど電気抵抗値が高くなるのでメーターを見ながら原因箇所へ近づくことが出来ます。
非破壊検査となりますので、建物を痛める心配はございません。散水試験とセットで行う事が多い調査方法です。
☆赤外線調査
外壁から雨水が侵入しているような場合は、外壁材と躯体部との間に水の通り道ができていることがあります。雨が降った後や散水試験の後など水が侵入している箇所は低温となり他の正常部分の表面温度と差が生じます。
この現象を利用して赤外線を照射することで外壁の表面温度が低く表示された箇所を重点的に調べて水の侵入箇所を見つけ出します。
この方法は、比較的広範囲を簡便かつ遠隔操作で行うことができるため初動の調査としては有効な方法といえます。通常の目視調査では見逃してしまう天井裏への雨漏りなども、赤外線サーモグラフィカメラを使用することでいち早く雨漏りを確認することが可能です。もちろん雨漏り箇所を手で触っても解らないレベルの微細な温度差を検知し可視化します。
☆外観目視調査
直接表面から目視で確認して、漏水箇所を特定します。建築知識や漏水イメージなど長年の経験が必要です。
☆ファイバースコープ調査
床下を調査するに当たって、ファイバースコープでまず床下の調査をします。
ファイバースコープですと1cm以下の穴で床下を観察できます。
☆耐圧試験
耐圧試験とは給水管に一定時間
圧力をかけることで漏水しているかを判断する作業です。
漏水箇所があった場合は圧力が低下いたします
その場合には給水管に穴が開いている可能性が高く
すなわち漏水を起こしている可能性が高いと判断が出来ます。
埋設配管や建物内配管など、配管の経路が追えない場合には
掘削やハツリ作業を行い調査をすると費用がかさんでしまいます
その為、耐圧試験を行う事で効率よく漏水の有無を判断出来るうえに
漏水している系統の判断が可能になります。
☆散水試験
漏水している箇所の上部から一定時間放水し、やはり漏れてくるかどうかを確かめます。いつも通り漏れてくるようであれば、散水した箇所に原因(故障個所)があると特定されます。一方、漏れてこない場合は、順次散水する場所を変えながら、散水箇所が何処なら漏れ、何処なら漏れないかを確認していきます。
この方法は実際の水の侵入口を探る試験ですので確実性が高いと言えますが、調査は晴れた日に限られることや複数箇所に原因がある場合などは見落としの危険性があるというマイナス点もあります。
電気抵抗調査などで、事前にある程度実施場所を絞った上で実施することで、調査効率が上がります。